
「昔、仕事で大量に使う予定があって買い溜めていたのですが、気がつけばメールやチャットばかりで、封筒を出す機会が完全になくなってしまって。郵便局では手数料がかかると聞いたので、それなら現金化して新しい趣味の資金にしたいと思ったんです」。そう苦笑いしながら、重みのある紙袋を持ち込まれたお客様がいらっしゃいました。大切に保管されていたその袋の中には、整然と積み上げられた未使用の切手シートが詰まっており、長年眠っていたコレクションが再び光を浴びる瞬間となりました。今回お預かりしたのは、日本郵便発行の50円切手、10枚つづりのシートが計52枚、額面にして総計26,000円分という圧巻のボリュームです。50円切手といえば、かつての定形郵便やはがきで最も親しまれた額面の一つですが、度重なる郵便料金の改定により、今では「端数」として扱われることが増えています。しかし、今回のお品物はバラバラの端数ではなく、すべてが「10枚つづりの完全なシート状態」で維持されていました。これだけの枚数が一度に、しかも一切の折れがない状態で揃うことは珍しく、非常に見応えのある内容でした。査定において私が最も重点を置いたのは、シートの「端(耳紙)」の状態と、裏糊の変色チェックです。切手は非常に繊細な紙製品であり、保管環境が悪いと湿気でシート同士がくっついたり、裏面が茶色く変色したりしてしまいます。しかし、拝見した52シートはすべてがパリッとした質感を保っており、ミシン目の切り離しも一切ありませんでした。この「未使用かつ美品のシート」という条件は、再販ルートにおいて非常に需要が高いため、通常のバラ切手としての評価ではなく、シート品としての最高料率を適用した買取価格を提示いたしました。こうした大量の切手を整理される方へ、鑑定士としてよくお伝えしている注意点があります。それは「シートのまま、絶対に切り離さないこと」です。たとえ1枚単位の額面は同じでも、10枚や20枚が繋がったシート状態であるのと、バラバラに切り離された状態では、査定額に大きな差が生じます。また、輪ゴムで束ねて保管するのも厳禁です。経年劣化で輪ゴムが溶け、切手にこびりついてしまうと、その部分の価値はゼロになってしまいます。クリアファイルなどに入れ、湿気の少ない暗所に平置きで保管するのが、将来的な価値を維持する最良の方法です。最終的な金額を提示したところ、お客様からは「正直、古い額面だから二束三文になると思っていました。手数料を引かれるどころか、これだけの金額になるなんて驚きです」と、大変喜んでいただくことができました。私たちは、たとえ一枚の額面が小さくても、その枚数や保管状態、市場の動向をプロの目で厳密に判断し、お客様にとって最善の利益となるよう努めています。もし皆様のご自宅やオフィスに、使い道のなくなった切手シートが眠っていましたら、ぜひ一度拝見させてください。一枚一枚の価値を誠実に積み上げ、納得のいくお取引をお約束いたします。

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