
「父親が昔からコツコツ集めていたもので、終活の一環として整理することにしたんです」と、少し緊張した面持ちでご相談に来られたお客様。ご自宅の書斎の棚に大切にしまわれていたという箱の中には、額面総額約12万円分もの記念切手や普通切手が、何冊ものストックブックやシートのまま丁寧に綴じられていました。長年、親御様が手入れを続けてこられたそのコレクションには、当時の収集家の情熱と、大切に扱われてきた時間の重みがしっかりと刻まれていました。お持ちいただいたのは、昭和期を中心とした幅広い年代の日本切手です。現在では見かけることの少なくなった特殊な記念シートや、かつて郵便局の窓口で購入されたそのままの状態で保管されていた普通切手が混在しており、非常に見応えのある内容でした。切手のコレクションにおいて、バラバラの状態ではなく、当時の郵便局で購入したままの「シート(まとまった状態)」で保管されていることは、将来的な買取価値を大きく左右する重要なポイントであり、今回のお品物はその条件を高いレベルで満たしていました。鑑定において私が徹底したのは、市場相場が額面を上回る「プレミア切手」の選別と、普通切手の「換金価値」を正確に算出することです。例えば、日常的に使われていた普通切手であっても、10枚単位や20枚単位のシートであれば需要が安定しているため、バラの状態よりも高いレートで査定が可能です。一方で、記念切手の中には希少性が高く、カタログ価格が額面を大幅に上回るものがいくつか含まれていました。今回は、それらを一つひとつ丁寧に照合し、全体で12万円という額面に対し、市場のニーズを最大限に反映させた査定額を算出いたしました。切手の整理を検討されている方に、専門家としていつもお伝えしているのが、「ご自身で無理に整理してはいけない」ということです。バラバラになっている切手を見ると、綺麗に並べて台紙に貼ったり、テープでまとめたりしたくなるお気持ちはよく分かります。しかし、切手は非常に繊細なため、一度ノリやテープを使って貼り付けてしまうと、その時点で価値が大きく損なわれることがあります。また、湿気で切手同士が固まってしまった場合も、決して無理に剥がそうとせず、そのままの状態でお持ちいただくのが、実は最も高価査定に繋がる最短ルートなのです。提示した結果をお伝えした際、お客様が「父が楽しみに集めていたものに、こんなに価値があるなんて驚きました。次に大切にしてくれる人の元へ行くなら嬉しいです」と、安堵の笑みを浮かべられた姿が深く印象に残っています。私たちは、単に古い紙を数える作業をしているのではありません。持ち主様が長年かけて築き上げた歴史と情熱を、必要とする次の誰かへ繋ぐ橋渡しをしているのだと自負しております。もし、皆様のご家庭にも書棚や押し入れで眠っている切手シートやアルバムがございましたら、ぜひ一度その価値を確かめにいらしてください。一枚一枚の魅力を、専門の知識を持って誠実に鑑定させていただきます。

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