
「祖父が長年大切にしていたものなのですが、引き取ってもらえますか」。そう言いながら、大切そうに抱えてご来店されたお客様がいらっしゃいました。中を拝見すると、そこには数十年にわたって収集された、数多くの正月記念切手シートが整然と並べられていました。最近の終活ブームで家の整理を進める中で、ただ捨てるのではなく、この切手に込められた歴史を誰かに繋いでほしいという思いを伺い、一つひとつ丁寧に鑑定させていただくことになりました。今回拝見したのは、昭和から平成にかけて発行された正月記念切手、いわゆる「お年玉切手シート」の膨大なコレクションです。毎年のお正月の楽しみとして、多くの家庭で馴染み深い存在ですが、こうして全種類のシートが揃っているとなると、立派な資料的価値が宿ります。特に、昭和50年代から60年代にかけて発行されたものは、当時のデザインや紙の質感に独自の趣があり、切手収集家たちの間でも再評価の波が来ています。バラバラの切手ではなく、発行時の姿のままシートとして保管されていた点は、査定において非常にプラスの要素となりました。査定で私が最も重視したのは、切手の「保存状態」と「シートとしての完全性」です。切手は紙製品であるため、湿気や直射日光による劣化が最大の敵となります。今回のお品物は、長年アルバムの中で大切に保管されていたおかげで、のりの部分の変色や、紙の黄ばみがほとんど見られませんでした。また、シートの四隅が折れたり、破れたりしていない状態は、コレクター市場において非常に高く評価されます。額面としての価値はもちろんですが、発行当時の美しさを維持しているという一点において、最大限の価格を提示いたしました。切手の保管に関してよくお問い合わせをいただきますが、何よりも気をつけていただきたいのは「湿気」です。日本の高温多湿な気候は、切手にとって非常に過酷な環境で、放置するとシート同士がくっついてしまったり、カビが発生したりすることがあります。もしご自宅で保管される場合は、湿気のない場所を選び、除湿剤と一緒に保管することをお勧めします。また、無理に台紙から剥がそうとせず、アルバムに入っているならそのままの状態で持ち込んでいただくのが一番です。剥がそうとした際に生じる破れや汚れが、価値を大きく損ねてしまう可能性があるからです。今回、お客様には想像以上の査定額に驚いていただき、「処分に困っていたものがこんなに役に立つなんて」と大変喜んでいただけました。切手という小さな紙片の中に、日本の四季や時代の移り変わりが凝縮されていることを再確認し、私自身も心温まる鑑定の時間を過ごすことができました。ご自宅に眠っているコレクションがあれば、ぜひ一度、私たち専門のスタッフに見せていただけませんか。難波の地で長年鑑定を続けてきた私たちが、その一枚一枚に込められた価値を誠実に見極め、適正に評価させていただきます。

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