
「遺品の整理をしていて、引き出しの奥からたくさんの切手が出てきたのですが、これはまだ価値があるのでしょうか」。そう尋ねてこられたのは、ご家族の遺品整理をされていたお客様でした。長年そのままになっていたという切手コレクションを見せていただくと、そこには1999年から発行された「20世紀デザイン切手」のシリーズが、非常に丁寧に保管されていました。かつて収集ブームを支えた切手たちが、今なお当時の色鮮やかな姿を残していることに、鑑定士として懐かしさと共に、コレクターの方々の情熱を感じました。お持ちいただいた「20世紀デザイン切手」は、20世紀の日本の文化や社会を振り返る、まさに歴史の縮図とも呼べる名作です。単なる郵便料金の支払い手段としてだけでなく、その繊細な印刷技術とデザイン性は、現代においても高い美術的評価を受けています。今回拝見した品物は、バラ切手ではなく「シート単位」で揃っており、保存状態も極めて良好でした。実は、このシリーズのような記念切手は、バラバラの状態よりもシートとして未開封の状態で存在することに、コレクター市場における非常に大きな意味があります。額面としての価値はもちろんですが、シリーズが網羅されているという点が、査定額を大きく押し上げる要因となりました。私が査定で最も注視したのは、切手の「裏糊」の状態です。切手は紙と接着剤で構成されているため、日本の高温多湿な環境は、品質を損なう最大の脅威となります。長年の保管環境によっては、湿気によって裏面の糊が変色したり、シート同士が癒着してしまったりすることがあります。しかし今回のお品物は、風通しの良い場所で適切に管理されていたため、糊の劣化がほとんど見られませんでした。この「新品同様の保存状態」こそが、市場で最高水準の評価を導き出す根拠となります。ルーペを用いて、シートの四隅に折れや破れがないかを確認し、現在の需要と照らし合わせた上で、納得いただける価格を算出いたしました。切手をお持ちの方にいつもお伝えしている注意点は、無理にアルバムから剥がそうとしないことです。古いアルバムに長年貼られていると、切手と台紙が完全に癒着してしまうことがありますが、そこでご自身で無理に剥がそうとすると、切手の裏面が破れ、査定価値が大きく下がってしまいます。もし剥がれなくなっていても、そのままお持ちいただければ、私たちは状態を損なわずに確認する方法を知っていますので安心してください。また、保管場所は湿気を避け、直射日光を遮る場所を選ぶことが、大切なお品物を長持ちさせる秘訣です。今回のお客様には、単なる換金以上の「思い出の継承」という価値を感じていただけたのではないかと思っております。私たちがこの難波という地で査定を行う際、最も大切にしているのは、品物の背後にある物語を尊重することです。もし、ご自宅に眠っているコレクションがあれば、額面だけでは測れない真の価値を確かめにいらしてください。専門スタッフが丁寧に拝見し、誠実な査定をさせていただきます。

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